「うちの子どもが夜なかなか寝ない…」「子どもの睡眠時間は足りているのかな…」そんな心配をしていませんか。日本睡眠改善協議会の「基礎講座 睡眠改善学」には、なんと小学生の睡眠と学力の関係を調査した結果が記載されているのですが、その結果によれば、成績が上位の子ほど早い時刻に寝ているのだそうです。つまり、勉強の成果を出すためには、十分な睡眠を取ることが必要不可欠だということではないでしょうか。
さらに、小学3年生と小学6年生では、就寝時刻が遅くなればなるほど、テストの平均点が低くなるということも判明しているそうです。
これはつまり、睡眠時間と学校の成績は大きな因果関係があることを意味しています。ですので、子どもの睡眠時間が足りているのかと心配になる気持ちはとても共感できます。
この記事では、小学生の睡眠時間がおおよそどのくらいなのか、小学生の睡眠時間はどのくらい必要なのか、小学生の不眠の原因について解説していきたいと思います。
小学生の平均睡眠時間っておおよそどのくらい?
まずはじめに、子どもの平均睡眠時間はおおよそどのくらいなのでしょうか。小学4年生から小学6年生までの大体10歳から12歳までの子どもたちの睡眠について、内閣府が2015年に発表した資料があるのですが、その資料によると調査対象の子どもたちの平均起床時間は6時38分でした。また平均就寝時間は21時57分だそうなので、調査対象の子どもたちの平均睡眠時間は8時間41分ということになります。ただこれはあくまで平均であり、中央値ではありません。しかし、生活習慣を振り返るという意味では、参考になるデータと言えるでしょう。
子どもの睡眠時間って足りてるの?
では上記の内閣府の資料の子どもの睡眠時間は足りていると言えるのでしょうか。アメリカの国立睡眠財団は先述した内閣の調査と同じ2015年に、年齢別に必要と考えられる睡眠時間を公表しています。そのアメリカの国立睡眠財団のデータによると、日本のおおよそ小学生にあたる6歳~13歳の子どもたちには、9~11時間の睡眠が必要であるとされています。つまり、約10時間必要だというふうに考えると、日本の小学生も平均約1時間20分の睡眠が足りていないということになります。このデータは信憑性のあるデータと言えるのか気になるところですよね。
そこで、アメリカの国立睡眠財団以外のデータも見てみましょう。そうすると実は、アメリカの睡眠学会も、イギリスの国民健康サービスも、オーストラリア連邦政府の保健省もアメリカの国立睡眠財団とほぼ同様の見解を示しています。つまり、6歳~13歳子どもたちには9~11時間の睡眠が必要であるという見解はそう大きく間違ってはいないという認識で問題ないのではないでしょうか。
睡眠時間と勉強の成績には相関関係があるとの結果に
小学生を含め、学生の本文は勉強であることは言うに及びません。小学生の中には、塾に通ったり寝る間を惜しんで勉強しているという人もいるかも知れません。しかし、睡眠時間を削って勉強するのは、残念ながらあまり良い方法とは言い難いかも知れません。
日本睡眠改善協議会の「基礎講座 睡眠改善学」によると、小学生の睡眠と学力の関係を調査した結果では成績が上位の子ほど早い時刻に寝ているとされています。つまり、勉強の成果を出すためには、十分な睡眠を取ることが必要不可欠だと言うことでしょう。また、中学受験を控える子どもを持つ母親にアンケートを取ったデータによると、睡眠時間10時間以上が14.5%、8~9時間が47.1%、6~7時間が32.4%、5時間以内が6.1%という結果が出ています。中学受験を控えていても、多くの子どもたちは睡眠時間をしっかり確保しているということです。
就寝前はスマートフォンなどの使用をできる限り控えてみよう
ではどのようにして睡眠時間を増やしていけばいいでしょうか。まず最初に考えられる解決策は単純明快で、今よりも早く寝るということでしょう。
そのためには、夜にスマートフォンをなるべく使わないようにするというのが有効です。スマートフォンなどのデバイスからは、ブルーライトというとても強い光が発せられています。ブルーライトは、前述のようにスマートフォンやPCなどのデバイスやLED電球から出る光のことで、その名前に違わぬ通りの青色光です。ブルーライトは、人間が視認できる光の中で最も強力なエネルギーといわれています。その強い光刺激は、夜に浴びれば不眠につながってしまうのです。
どうして夜にブルーライトは良くないの?
ブルーライトは、スマートフォンなどのデバイスやLEDから発せされているということでしたが、なぜブルーライトを夜に浴びるのは悪いのでしょうか。
実は、目からブルーライトが入るとガングリオンセルという視細胞が光を感知します。その後、脳の視床下部にある視交叉上核という部分に情報が伝達されます。この視交叉上核は、体内時計の重要な中枢といわれているのです。
また、ブルーライトの刺激は、メラトニンというホルモンが作られる松果体に伝えられます。昼間にブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑えられて活動が高まります。しかしその一方、夜に浴びるとブルーライトを含む明るい光を昼と認識し、体内時計に作用して睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
つまり、夜にブルーライトを浴びることで、体内時計が乱れてしまい、夜なのにまだ昼だけだから起きていなくてはと勘違いして眠れなくなったりするわけです。
メラトニンっていったいどんなもの?
ここで、メラトニンについてもう少し詳しく説明します。メラトニンとは、脳内の松果体という部分から生合成されるホルモンのことです。人間は通常、網膜を通じて外界の光刺激を取り入れています。網膜に入った光は、体内時計の中枢と言われる脳の視床下部にある視交叉上核を経由して、松果体に到達します。実はメラトニンの分泌量というのは、松果体に入った光の量に影響されています。明るい光であればメラトニンの分泌は抑制され、逆に夜間で光の量が少なければメラトニンは多く分泌されることになります。
不眠の原因を解消したいと思ったら
上記で述べたように、夜にブルーライトを浴びていれば、メラトニンの分泌が抑制されてしまい、体内時計が乱れて不眠につながってしまいかねない状況に陥ります。ですのでまずは、夜にスマートフォンやPC、ゲーム機などのデバイスの使用を控えてみてはいかがでしょうか。
しかし、それでも睡眠の質が改善しない場合は、どのように対処すればいいでしょうか。そのような場合には、朝に日光を浴びるようにしてみてはいかがでしょうか。実は体内時計というのは24時間丁度ではなく、24時間より少し長いと言われています。この誤差を調節するには、部屋にこもってばかりではなく、朝日光を浴びることが効果的だと言われているのです。今は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言や蔓延防止措置はなくなり、比較的自由に出歩けるようになりました。朝起きて散歩やジョギングなどしてみるのはいかがでしょうか。
まとめ
夜のブルーライトなどに気をつけて、不眠にならないように努めてください。
参考文献

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