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子どもでも準備運動って必要なの?準備運動の目的とはこれいかに

スポーツなど激しく体を動かす前には、ケガをしないためにもしっかりと準備運動をすることが大切です。…ということは多くの人たちがスポーツや人体に対して知識がなくとも、なんとなく分かっているのではないでしょうか。私たち大人が、久しぶりに体を動かすときには準備運動をしないと、筋肉が凝り固まっているので、無理をすればケガをすること間違いなしでしょう。

ただ、成長期で大人よりも筋肉が凝り固まっておらず、柔軟性もある子どもの場合は、準備運動は必要なのでしょうか。普段から体育の授業などで大人よりも頻繁に体を動かしている場合には、当然ケガもしにくいでしょう。ただし、たとえ子どもであっても大人と同じようにしっかりと準備運動をしてできるだけケガを防ぐこと、また体の柔軟性を維持および向上させていくはとても大切なことなのです。

そこで今回は、子どもにとって(もちろん大人にとってもですが)柔軟性が大切である理由、そもそも準備運動とはなにか、準備運動の目的とはいったいどのようなものなのかについて解説していきたいと思います。

そもそもだけど、柔軟性はどうして大切なの?

まずは原点に立ち返って柔軟性が大切な理由について見ていきましょう。ここでいう柔軟性とは思考のことではなく体の方です。思考の柔軟性が大切なことは多くの人が理解していることで、改めて説明する必要もないことでしょう。体の柔軟性が大切な理由は端的に述べると、「ケガをしにくくなるからというものですが、そもそも体の柔軟性というのは具体的にどのように定義されるのでしょうか。

柔軟性の具体的な定義とは

もし仮に、柔軟性というワードを別の言葉で言い換えるとするならば、「関節の可動域がどのくらいなのか」ということになるのではないでしょうか。ちなみに関節とは、骨端部の表面に軟骨組織があり、同時に関節包が存在する骨のつなぎ目を意味します。ただ専門家でないか限りは関節に関する小難しい言葉の定義はさておき、一般的な理解としては骨と骨のつなぎ目という理解で差し支えないでしょう。

どうして柔軟性があると、運動でケガをしにくいのか

柔軟性は「骨と骨とのつなぎ目である関節の可動域がどのくらいなのか」ということだと理解できたところで、どうして柔軟性があると運動でケガをしにくいかについて話を移していければと思います。

結論から言うと、柔軟性が運動においてより高いパフォーマンスを発揮するための重要な要素だからなのです。皆さんは「アスリートは体が柔らかい」と言われたりするのを聞いたことはありませんか。これはつまり、柔軟性とパフォーマンスには大きな関係があるということに他ならないのです。柔軟性が高いということは、それすなわち筋肉や腱(けん)が伸びやすいこと、筋肉がダイナミックに関節を動かしやすいということになるます。補足すると、この腱(けん)というのは、例えばアキレス腱など、筋肉と骨をつないでいる部分のことです。つまり柔軟性が高ければ、関節に無理のない動きをさせることができるということになり、関節に無理のない動きをさせやすいからこそパフォーマンスをしっかりと発揮し、運動中にケガをしにくくなるというロジックになるのです。

準備運動って厳密にはどういうものなの?

では、そもそも準備運動あるいは準備体操というのは、どのようなものなのでしょうか。ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典によると、準備体操について次のように説明されています。

「スポーツなど身体活動実施前に,準備として行う体操。実施しようとする運動に対して適当な刺激を与えることにより,身体の順応をはかり危険を防止する。全身の機能を促進させる全身的運動を行い,さらに各運動に用いる特定部分の準備運動を加える。誘導運動ともいう。」

平たい言葉で言い換えれば、運動の前に行う、ケガを防止するために行うものということです。準備体操でよく行われるのが、ストレッチですね。ではこのストレッチについてもう少し掘り下げていきたいと思います。

ストレッチって具体的にどうやるの?

ストレッチには、動的ストレッチと静的ストレッチの2種類が存在します。まずはこれら2つの違いについて見ていきましょう。

動的ストレッチとは

まずはじめに動的ストレッチから解説していきたいと思います。動的ストレッチとは、関節を曲げたり伸ばしたりや、筋肉の伸び縮みを意識して行うストレッチのことです。具体的なストレッチ項目としては、主に以下のようなものがあります。

  • 首を回す
  • 手首を回す
  • 足首を回す
  • 肩を回す
  • 上半身を回す

静的ストレッチとは

次に、動的ストレッチとは反対に静的ストレッチについてみていきましょう。静的ストレッチとは、動的ストレッチとは違って、伸びている筋肉を意識しながら10~20秒という時間をかけてゆっくりと行うストレッチになります。意識すべき筋肉としては、次のようなものが考えられるでしょう。

  • 肩甲骨まわりの筋肉
  • 腰のひねりの筋肉
  • 内太ももの筋肉
  • アキレス腱

ストレッチは動的ストレッチと静的ストレッチを組み合わせて行うべき

準備体操の中で行われるストレッチは、上記の動的ストレッチと静的ストレッチどちらかだけを行うものではなく、組み合わせて行われるべきものになります。そのときに大切なことは、息を止めないように意識することと、無理せず自分のできる範囲で行うことを意識することです。

準備体操も大切だけど、整理体操もしっかりやろう!

これまで柔軟性の大切さや準備運動、準備体操の話からストレッチの具体的なやり方について述べてきましたが、実は準備体操の他に整理体操というものもあるんです。この整理体操というものは、普段見逃されがちではあるんですが、準備体操と同じくらい大切なものなのです。この記事の前半の方で、準備体操とはどのようなものなのかについて解説したので、そのときと同じくブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典から、整理体操についての部分を引用してみましょう。ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典には、整理体操について次のように記載されています。

「激しい身体運動後,調整をはかるために行う体操。興奮状態にある呼吸,血液循環,神経などをなるべく早く常態に戻し,筋肉の疲労を回復させることを目的としている。ゆるやかに呼吸の調整をはかりながら,身体の力を抜き,柔らかく楽に行う。」

つまりは、準備体操というのは、柔軟性をたかめてケガを防ぐことを目的としていることに対して、整理体操というものは呼吸や血液循環、神経などを日常の状態に戻し、筋肉の疲労を回復させることを目的として主に運動後に行うもの、というふうに定義できるでしょう。また、準備体操と同様に、整理体操も大人だけでなく、子どももしっかりと行った方が良いものになります。細胞が大人よりも若いため、基本的に疲労が残りにくいとはいえ、しっかりと疲労を回復させることは大切なのです。

まとめ

今回の記事では、準備体操と柔軟性の関係から始まり、ストレッチには動的ストレッチと静的ストレッチがあること、準備体操とはちがう整理体操について解説していきました。皆さんもこの記事を参考にして、準備体操と整理体操で快適なスポーツライフを送ってください。

参考文献

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