食事

親の食行動は子どもの食生活にどんな影響を与えるの?

子どもの頃に身についた食習慣は大人になっても引き継がれている可能性が高いことが様々な研究により示されています。さらに、それが非健康的なものである場合には、肥満や2型糖尿病などのリスクが上昇します。多く研究によって、食習慣の早期改善、特に小児期の食生活の改善は、健康増進につながるだけではなく、人生での疾患リスクを軽減する可能性が示唆されています。

その一方で、両者の関連を結び付けるメカニズムについては、まだまだ不明な部分が残されているものの、性別や年齢、社会経済的因子、人口統計学的特性に関わりなく、親の食行動が子どもの食習慣に大きな影響を与えることが、多くの研究から明らかになってきました。

そこで今回は、親の食行動が子どもの食生活にどのような影響を与えるのかについてみていきたいと思います。

食行動と食習慣ってなに?

全段で、多くの研究で親の食行動が子どもの食習慣に大きな影響を与えることが明らかになってきたと述べましたが、「食習慣」「食行動」について改めて整理しておきたいと思います。

食習慣の方はなんとなくイメージしやすいかもしれませんが、文化的および社会的な影響を受けて意識的かつ反復的に食べる方法のことを意味し、食習慣には摂取する食品の傾向、摂取量、摂取タイミングなどの要素が存在します。
専門的にはなにやら小難しく定義されていますが、要するにどんなものを、どのくらい、いつ食べているのかということです。食生活は大枠で捉えれば、食習慣と同じような意味で使われていると考えて差し支えないのではないでしょうか。

一方の食行動とは、ただ食べることだけではなく、食品の購入や調理など食事の意思決定に至る一連の行動を指します。つまり冒頭の「親の食行動が子どもの食習慣に大きな影響を与える」とは、親がどんな食品を買って、どのように調理するかなど、子どもに与える食事が、子どもがどんなものを、どのくらい、いつ食べるのかなどの食生活に大きな影響を与えるという理解でいいでしょう。

親の食行動は子どもの食生活にどう影響するのか

では子どもの食生活は、親の食行動にどのような影響を受けるのでしょうか。
生後1年の間に、子どもの食生活に親の影響は生じます。母乳育児の終了する頃には、子どもは自分で食事をすることを学び始め、家族の食事パターンに従うことになるからです。11カ国の調査から、出生から2年までの子どもの栄養状態は、食事の多様性と関連があることが分かっています。また20人の2歳児とその両親を9年間追跡した研究からは、約25%の子どもが新しい食べ物を口にするのをためらい、親しみのある食品にこだわるなどの問題を抱えていることが報告されました。
つまり親は子どもに対し、あきらめずに新しい食品を何度もチャレンジさせることが求められているのです。親がロールモデルである幼児期には、親の影響力は最も強いと考えられています。

また家庭の食環境は、食料の入手しやすさ、外食の頻度、および親の食費に対する認識などが大きく関係します。学齢期になると地域社会の影響を受ける可能性もありますが、それをコントロールできる範囲は限られたものである可能性が報告されています。
さらに、家庭の食環境だけではなく、家庭環境も大切です。家庭環境が良好で、つまり家族の食事へのプレッシャーが少ない子どもは、ソフトドリンクの摂取量が少ないことが判明しています。

まとめ

子どもの食生活は、子どもが大人になった後も尾を引くことになるので、親が様々な食品でバランス良く栄養が取れるような食事を子どもに与えることがとても大切なのです。

参考文献

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