「人間にとって、睡眠は大切です。」こう言われれば、多くの人が「何を今さら」「それはそうでしょう」と感じることでしょう。睡眠は、当然のことながら人間の生活には欠かせないものです。
ただ、睡眠の大切さの意味合いは、大人と子どもで大きく変わってきます。今回は、子どもの睡眠の大切さについてみていきたいと思います。
子どもと大人の睡眠の大切さの違い
締め切りに間に合わせるためなど、必要に迫られて夜遅くまで、あるいは徹夜で何かに取り組んだことは、誰しも一度はあるのではないでしょうか。その後の集中力の低下、頭の回らなさといえば、誰しも共感できるのではないでしょうか。ですので、仕事の生産性を向上させるためには睡眠が大切です、という主張に異議を唱える人はあまりいないでしょう。
この例のような、大人にとっての睡眠の大切さという文脈で語られる睡眠の役割というのは、「頭と体を休めるため」というものです。
しかし、子どもの場合はそうではありません。子どもにとっての睡眠の役割とは、まだまだ未熟な脳と体を健全に発達させることなのです。子どもの脳内では、寝ている間に記憶された情報の整理が行われるだけではありません。
体を発達させるための成長ホルモンも分泌されます。「寝る子は育つ」という言葉がありますが、まさにその通りで、しっかりと睡眠を取ることで健全な発達を促し、成長するのです。特に、脳が成熟する思春期開始までの時期、小学6年生までは、大人に比べて長時間の睡眠が必要なのです。
子どもの睡眠不足は学業に影響する
これまで、子どもにとって睡眠が大切な理由は、未熟な脳と体を発達させ、成長ホルモンを分泌させるためなのであり、「寝る子は育つ」というのは正しいということについて述べてきました。
しかし、子どもの睡眠の大切さを考えるときに、学業との関係も無視できません。小学校で学習する内容は、どの分野でも基礎的な内容であり、中学校以降の学習内容に繋がってくる内容ばかりです。
小学校のうちに、勉強が嫌いになってしまうと、それは将来に渡って尾を引いてしまう可能性が高いでしょう。
文部科学省が小学5年と6年の子どもの睡眠習慣を調査したデータによると、午後11時から午前2時までに眠る小学生の最大40%が午前中の体調が悪いことがあり、反対に就寝時間が早いほど、体調不良と感じる割合が低くなることが分かっています。
さらに同データによれば、就寝時間が遅ければ遅いほど、特に理由もなくイライラすると回答した割合が増加します。
午後10時から11時までに就寝する子どもたちのうち、特に理由もなくイライラすることがよくあると回答した人は、8%に留まっています。
しかし、午前1時から2時の間に就寝する人は30.2%の子どもたちがイライラすることがよくあると回答しています。午前3時以降に就寝する子どもたちに至っては、40%の人がそのように回答しているのです。
つまり、睡眠は、子どもの健全な発育だけではなく、日々の体調や、精神の安定性に大きく影響を及ぼすということになります。体調が悪く、精神的にも不安定な状況では、学校の勉強に身が入らないという状態になることも必然と言えるのではないでしょうか。
このような面からも、子どもたちにとって日々の睡眠というのは非常に大切なのです。
まとめ
子どもたちにとって睡眠は大切である、ということは多くの人が理解していることだと思います。しかし、どうして子どもたちにとって睡眠が大切なのかをしっかりと理解している人はそう多くはなかったのではないでしょうか。
子どもたちの将来のためにも、子どもがしっかりと睡眠を取ることができる家庭環境を築いていくことが大切です。
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